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【書きかけ記事】【DXP2800など】UGREENのNASのOSの使用感は?【Ubuntuとも比較】

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この記事は実際に自費で購入したUGREEN NASYNC製品の使用感や独断と偏見に基づき、UGREENのNASのOSの使用感を評価していきます。

実際に触ったNASはDXP480T Plusで、日本未発売モデルとなっていますが、おそらく日本発売モデルとOS自体は大きく変わらないはずです。

また、筆者がNAS用OSとして推しているUbuntuや、ある程度の期間使っていたTerramasterのNAS OSのTOSとも部分的に比較しています。

なお、UGREEN DXP480T Plusのレビュー記事はこちら。

Ubuntuと比較してみた(たまにTOSとも比較

なぜUbuntuと比較したか

筆者自身、TerramasterやASUSTORなどのNASを案件などで触ってきましたし、TrueNASやOMVも過去に試したことがあります。割と色々と使っているつもりです。

その中でもUbuntuをNASにすることのおすすめする理由はこちらです。

  • トラブル解決ややりたいことを実現するための情報量の多さ、もっというと日本語の情報量の多さ
  • CasaOSを始めとしたDockerアプリをアプリストア感覚で入れられるツールを導入可能
  • Cockpitのような別のPC上から管理できるツールを導入可能
  • デスクトップでの操作も当然可能で、サブPCとしても使用可能
  • ネットワーク設定や共有設定の豊富さ
  • (シーケンシャル速度が落ち込むこともあるものの)、ランダムアクセスが速い

などなどなど。

なお、今回の比較ではCockpitやCasaOS、SMBなどのサービスを導入しているものとします。

逆にデメリットは?

  • UbuntuはDebianに比べると安定性にかけるらしい。
  • Desktopがある分、リソースを食う場合もある(しかしハードウェアを自分で用意することでコスパをよくできる。)
  • NASにするためには、他のNAS OSに比べて手間が必要
  • メーカー製NASキットにあるような、クライアントアプリがない。

比較表

それでは比較です。評価基準はファイル共有やネットワーク設定や使いやすさやアプリなどに基づく10項目です。ついでにTrueNAS Scaleの表も入れています。

※なお、筆者はそこまで詳しくないので、あくまでも参考程度に捉えていただけると幸いです。

UGOS ProTOSUbuntuDesktopTrueNAS Scale
ファイル共有機能3455
ネットワーク設定4455
ストレージ関連4445
アプリ(Dockerなど)関連3352
デバイス同期機能3453
画像・動画管理5344
その他充実度3355
使いやすさ5252
安定感4345
最初の作業のラクさ4413
クライアントアプリ5311
総合評価(55点満点)43374440

こんな感じになりました。

ファイル共有機能

ファイル共有機能では、以下の3点を基準に評価しました

  • プロトコルの多さ
  • SMB設定機能の充実度
  • SMBの速度

プロトコルの多さ

まず、UGOS ProはSMB、FTP、Rsync、NFS、Webdavに対応しているようです。

ただし、TOSやUbuntuはiSCSIにも対応しているようです。

SMB設定機能の充実度

一般的なNASのデータのやり取りに使われるプロトコルがSMBです。

SMBには設定項目があり、UbuntuやTOSではSMB.confへの設定の追加が可能なようです。

しかし、UGREEN NASYNCは設定項目は豊富ではあるものの、ターミナルなどを使わない限り、管理画面からSMB.confを調整することはできません。

SMBの速度

正直全部速いのですが、TOS6やUGOS Proは小さい大量のファイルを転送する際に速度が落ち込みやすい印象を受けました。

Ubuntuはそうしたファイルの転送時にもさほど速度が落ちにくい印象です。

ファイル共有総合評価

UGOS Proのファイル共有機能は一通り揃っていますが、めちゃくちゃ細かいところでは他のOSに比べて劣る可能性があります。

ネットワーク設定

基本設定

UGOS ProはIPアドレスの固定やジャンボパケットの設定など基本的なネットワーク設定があります。

NICの増設について

USBアダプタを用いた2.5GBEや10GBEの増設は問題ない印象ですが、RTL8157チップを搭載した5GBEの増設では、NICの速度が正しく認識されませんでした。

Ubuntuでは、ドライバーを追加することで5GBEも認識されそうですが、UGOS Proはターミナルを使わないとドライバを追加できなさそうなのでちょっと大変そうですね。

リンクアグリゲーション

UGOS Proはリンクアグリゲーションに対応していますが、DXP480T Plusの内蔵10GBEとTB4に増設した10GBEとでLAGを組んだところ、Windowsから見えなくなるなど極めて不安定となりました。

Ubuntuであれば(たまに負荷分散がうまくいかないこともあるものの)LAGを組むことができます。
筆者はUbuntuで10GBE×3をLACPでリンクアグリゲーションを組んでいます。

ネットワーク関連総合評価

ネットワーク関連において、UGOS Proは細かい機能が気になる点もありますが、基本的な機能は揃っている印象でした。

ストレージ関連

簡単にRAIDやSSDキャッシュを設定できる

一応UbuntuにもRAIDやSSDキャッシュを組む機能はあるようですが、CUIでの設定になってしまいます。

しかしUGOS Proを始めとした大抵のNASはRAIDやSSDキャッシュをGUIで組むことができ、とても便利です。

ZFSには非対応

ZFSは先進のファイルシステムらしく、スナップショットなどさまざまな機能があります。

UbuntuやTrueNASはZFSに、QNAPのNASなどは一部が対応しているとのことらしいです。
ただ、UGOS ProやTOSはZFS二日対応のようです。

ちなみに、UGREENの公式ツイッターでは、ZFSに今後対応する可能性があるとのことです。

ストレージ関連の総合評価

全体的に悪くないので4としました。

アプリ関連

純正アプリ自体は充実しているが…。

アプリストアに限って話すと、
純正アプリはかなり充実している印象です。

しかし、それ以外の非純正のアプリが2025/02/02時点では4つしかありません。

Dockerツールも使えるが、少し難易度が高いかも

Dockerからアプリをインストールすることもできますが、初心者には難しい印象を受けました。

もっとグラフィカルにもっと簡単にインストールできた方がいいかもしれません。

CasaOSはインストールできるが…。

筆者がオススメしているツールの一つがCasaOSです。
Dockerアプリを簡単にインストールできます。

UGOS ProはDebianベースっぽいので、ターミナルを使えばインストール自体はできるのですが、エラーを吐いてしまうので、ちょっと気になります。

アプリの少なさが他の機能にも影響する

アプリが少ない、あるいは導入のハードルが高いことで、他の機能にも影響があります。
たとえば、同期機能ですが、SyncthingやNextcloudのような様々なOSで使える同期機能がUGOS Proでは若干導入しづらいことで、他の機能にも点数を影響させています。

デバイス同期機能

NASとクライアントデバイスの同期機能、あるいはNASを媒(なかだち)としたクライアントデバイスデバイス同士の同期機能

SyncthingやNextcloudの導入ハードルが高そう

SyncthingはNASはもちろんPCやAndroidでも使える同期アプリです。
NextcloudはNASなどにクラウドを立てるアプリです。

この2つの導入難易度が若干高いです。
(Nextcloudはうまくいきましたが、慣れていないと大変かもしれません。)

純正同期機能はもうちょっと改善してほしい。

  • Androidは画像と動画のバックアップのみ、さらにフォルダーの指定ができない
  • Macではフィルター機能を更に充実させて欲しく感じました。
  • Macのディレクトリを重複させてバックアップさせてほしい

など、さらに改善して欲しい機能が多かったです。

クライアント側でどうにかする方法もあるが…。

とはいえ、SMB共有のフォルダーに、クライアント側からバックアップを取るようなアプリもあります。

WindowsならBunbackupやRobocopy系のツール、Macなら、RSYNC系のツール、AndroidならPhotosyncとかあるので、そうしたツールを使えばいいとは思います。ただ、せっかくNASがあるのなら、NAS側でいい感じの機能があったほうがいいかなとは思いました。

その他の評価基準

その他充実度について、

ブラウザ操作とほぼ遜色ないクライアントアプリや、使いやすさに加えてIGPUの使用率も確認できるタスクマネージャーなど、意外と悪くない印象でした。なので、5としています。

使いやすさについて

UGOS Proはかなりユーザーフレンドリーな印象を受けます。ただ、どうしてもわからない情報は英語のサイトやマニュアルやフォーラムに当たる必要がありそうです。

現時点ではQNAPやSynologyのOSや、UbuntuやTrueNASなどのOSに比べてトラブルシューティング時の日本語の情報が少ない印象です

Ubuntuも基本わかりやすいですが、どうしてもコマンドラインからの操作が必要になります。ただし必要なコマンドなどもネットを探せばあるので、そこまで分かりづらい印象はないです。

Terramasterはちょっと使いづらい部分があります。ユーザーフレンドリーではあまりないですし、わからない情報を英語で調べても見つからないことがあります。そうした場合はチャットで対処して網羅牛下なさそうです。

なお、安定感

NASとして使うためのカスタマイズの作業量

UGOS ProやTOSは最初からNAS向けのOSですので、最初の設定などでそこまで気になる点はないでしょう。

番外編(今後追記予定です)

ご覧頂きありがとうございました!

 

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