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【VS M4 Mac miniほか】Minisforum BD795Mの自作PCの性能ベンチマーク比較

2025年1月21日

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この度Minisforum様より提供をいただき、CPUのRyzen9-7945HX搭載のMicro ATXマザーボードBD795Mを使ったマシンの性能をレビューしていきます。

BD795MはPassmark5万超えCPUの7945HX搭載のマザーボードとなっています。

どのように自作したかの記事はこちら。

なお、M2 NVMEスロットから10GBEを増設できるカードはこちらの別記事で検証しています。

比較に使ったマシンたち

  • BD795M搭載自作PC(Ryzen9-7945HX+32GBメモリ+RTX3060 12GB)
  • GEEKOM GT1 Mega(Intel Core Ultra 7 155H(iGPUはIntel Arc)+32GBメモリ)
  • GEEKOM A7(Ryzen9-7940HS(iGPUはRadeon 780M)+DDR5)
  • GALLERIAのゲーミングノート(Ryzen7-4800H+DDR4 3200 16GB×2+RTX2060)
  • M4 Mac mini(最小構成のM4 Mac miniのメモリを24GBに、イーサネットを10Gにしたもの。)

画像はBD795Mを使って組んで、今回の検証に使った自作PCです。

検証について

検証内容は以下のとおりです。

  • CPU系ベンチマーク(CBR23、GB6 CPU)
  • GPU系ベンチマーク(GB6 GPU、CB2024 GPU)
  • ゲーム系ベンチマーク(DQX、FFXV、FFXIV)
  • ダビンチリゾルブ無料版エンコード時間計測
  • Core Perfromance Boost時のCPUベンチマーク・発熱・消費電力を計測

検証の細かい点は以下のとおりです。

  • 特筆のない限り、2025/01/18頃に検証していて、当時の最新ソフトやベンチマークを使用していますが、ゲームと動画エンコードのテストでは、BD795M以外のマシンは別の日時に取ったデータを流用しています。
  • また、Windowsで最適なパフォーマンス設定にしています。
  • BD795MはCPUに関する設定などはデフォルトになっており、Core Performance Boostも特筆のない限りオンになっています。NVIDIAのGPUドライバーはクリエイティブの方を使っています
  • GEEKOM A7のみ外側から冷やしたほうが性能が上がるので冷やしています。
  • Cinebench系のベンチマークで、単発と記載されている場合はレンダリングを1セットだけやっていて、10分とか10と記載されている場合ははレンダリングを10分強やっています。
  • 計測時の室温は10度から17度程度です。夏場はさらに温度が上がることが予想されます。
  • また、重要そうなスコアやデータに限ってグラフに直しております。

CPU系基本ベンチマークを検証!

CinebenchR23

シングル単発マルチ10分マルチ単発
A7(7940HS)16241413613831
GT1(155H)16171591016172
Macmini(M4)22671371213767
BD795M19103262532658

Cinebench R23ではマルチ性能でBD795Mがとにかく強いです。比較対象のミニPC3つにダブルスコアで勝利しています。

シングルではM4 Mac miniの後塵を拝するものの、それでもA7やGT1 Megaよりも高い数値となっています。

Geekbench6.3.0

GEEKBENCH6.3.0の結果はこちら。

GB6 SingleGB6 Multi
A7(7940HS)254112487
GT1(155H)227112334
Macmini(M4)381814426
BD795M287516312

GPU系ベンチマークを検証

Geekbench6 GPUテスト

なお、0と記載されているものは検証ができなかったものを指しています。

また、BD795Mの7945HXの内蔵グラボRadeon 610MのときとRTX3060のときとも出しています。

GB6 OpenCLGB6 Vulkan
A7(7940HS)3321535504
GT1(155H)2929531254
Macmini(M4)375370
BD795M(610M)60377986
BD795M(3060)9131090404
ガレリア(2060)7716268099
  • Radeon 610Mは内蔵グラボとしてかなり貧弱。
  • RTX3060 12GBは7940HS、155H、M4の内蔵グラボに対して大体3倍程度で圧勝
  • また、2060も古めかつノートに搭載されているものの、かなりの大健闘

※この検証をしたあとに、RTX3060をx16でなくx8で接続していたことが判明しましたが、他サイト様ののベンチマーク結果と同程度であるために、再検証は行いません。

Cinebench 2024 GPUテスト

Cinebench 2024 GPUテストはかなりGPUを使ってくれるテストです。

ただ、IntelやAMDのIGPUでは動作しない可能性があります。M4やM1のIGPUでは動作を確認しています。

CB2024 GPU単CB2024 GPU10
Macmini(M4)45114499
ガレリア(2060)41754122
BD795M(3060)80207921

※この検証をしたあとに、RTX3060をx16でなくx8で接続していたことが判明しましたが、他サイト様ののベンチマーク結果と同程度であるために、再検証は行いません。

ゲーム系ベンチマーク

※ゲーム系ベンチマークでは

検証内容

まず、いくつかのPCのデータを取るとこんな感じでした。

GT1A7ガレBD795M
DQX1891811401973125050標FHDウィン
FF1531522262847312263標FHDウィン
FF16681331931237421358fhd標ノウィンfsr1.1V

右側に設定を書いています。

やっぱりグラボ積んでると強いですね。

続いて、FF16の設定を高品質(ノートPC)にして、解像度をFHD、QHD、4Kの3つのそれぞれで計測したスコアがこんな感じ。

FF166028(や12487(と20388(非fhd高ノウィンfsr1.1V
FF164256(普8567(快15241(非QHD高ノウィンFSR1.1V
FF162157(設6627(や5364(普4K高ノウィンFSR1.1V

非=非常に快適
と=とても快適
や快=やや快適
快=快適
普=普通
設=設定変更を推奨

グラフにするとこんな感じ。4KだとなぜかガレリアノートがBD795Mを逆転しています。

動画編集・エンコード

※この部分のみ、検証にめちゃくちゃ時間が掛かるので、2024年11月に使ったデータを流用しています。

比較について

筆者のYoutubeChで過去に投稿した4K37分動画とFHD19分動画をエンコードしました。

なお、Posgresqlを使ってプロジェクトファイルを同期し、10GBE接続のNASに動画素材を置いてエンコードしていて、BD795M以外のマシンは10GBEでNASやPosgresqsと接続していますが、BD795Mは2.5GBEで接続しています。

検証結果はこんな感じ。

動画エンコード4K30FPS37minFHD30FPS19min
A726:235:52
GT1 Mega18:084:54
M4 Mac mini18:142:36
BD795M5:271:01

はい、BD795Mは他のマシンに比して爆速で、4K動画に至っては字句通りに桁違いです。

また、動画編集作業自体も3060を積んでいるためかかなり快適に行えました。

とはいえ、M4 Mac miniのほうが電力効率的には良さそうではあります。

電力調整について。

Core Performance Boostオン・オフでの消費電力・本体温度測定

BiosからCore Performance BoostをEnable(有効)あるいはDisable(無効)にして、Cinebench R23を3分間回した際のスコアや消費電力や温度を記載していきます。

Core Performance Boostはオーバークロック機能的なものらしいです。

結果はこんな感じ。なお、動作パケ電力はベンチマーク計測中にHWMonitorで確認したCPUのパッケージ全体の電力で、この数値であることが多かった数値を記載しています。

PBC EnablePBC Disable
アイドル温度42度39度
動作パケ電力102W38W
最大温度92.9度41.1度
スコア3265817790
1Wあたりスコア320.2468.2

まず、PBCをオンにすることで、ミニPCよりも遥かに高い、102Wもの電力を消費します。

また、最大92.9度まで温度が上がります。

PBCをDisableにすることで、スコアはEnable時の半分程度まで下落するもの、消費電力は1/3程度まで抑えられます。

結果として、ワッパを1.46倍にでき、最大温度も41.1度と抑制が可能になります。

x86 universal tuning utilityを用いたW数チューニングについて。

universal x86 tuning utilityというツールを用いて、7945HXのW数や温度を調整して、数値ごとのパフォーマンスを測定していく予定でしたが、CPUが対応していないらしく、うまく検証することができませんでした。

数値を変更しても反映されなかったり、フリーズしたりしたために、検証が困難と思い、中止しました。

検証のまとめ

  • BD795MはCPB有効時Cinebench R23マルチで3.2万と、ハイエンドミニPCの2倍程度の性能となり、とても高いCPU性能となっています。
  • しかし、CPUをフルに使うと最大温度93度、消費電力102W程度まで上がってしまいます。
  • CPBを無効にするとスコアは17790まで下がりますが最大温度41.1度、消費電力38W程度とほどほどになり、ワッパも1.5倍程度になります。
  • また、チューニング次第でさらに適当な温度やワッパになることでしょう。
  • GPUを搭載可能で、RTX3060を搭載した場合には、GPUベンチマークでハイエンドミニPCの2〜3倍程度のスコアが出せますし、ゲームベンチマークも良い結果が出ているようです。
  • また、動画編集作業もA7よりも快適で、エンコード時間に至ってはM4 Mac miniの半分未満の時間で処理が完了しました。

またこの記事内で検証していませんが、RTX3060のお陰で、Stable Diffusionを用いた画像生成や、某ツールを用いた動画の高解像度化もかなり高速に行えていた印象です。

あとがき

ミニPCと比べてとても高い処理性能な印象です。

また、パフォーマンスを抑制すれば温度や消費電力を抑えられそうということもわかりました。

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ご覧頂きありがとうございました!

 

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