※現時点では10G化はできていません。
この度Minisforum様から7945HX搭載マザーボードBD795Mを提供いただき、10GもRTXグラボも搭載した自作PCを作り上げてみたいと思います。
BD795MはMinisforumさんのマザボで、7945HXを搭載したものとなっています。
また、790S7に比べて、SATA端子があったり、M2 NVME SSDスロットがPCIEスロット近くにあり、魔改造すれば10GBEを増設できそうであったりとパウァーアップしている印象です。
筆者はPC自作についてはズブの素人ですが、折角提供をいただけるので勉強しまくって一から作り上げて、レビューします!頑張ります!
BD795MのMinisforum公式ストアのアフィリエイトリンクはこちら→https://www.minisforum.jp/products/minisforum-bd795m?aff=252
記事の注意点
- BD795Mの組み立てと性能レビューの2つを行う必要がありますが、両方ともレビューすると記事が長くなりすぎてしまうので、記事を組み立てと性能レビューで分けています。性能レビューは後日投稿します。
- また、今回の自作をするにあたって、筆者自身情報を調べたり、自作PC有識者のTwitter上の知人に教えを請ったりしました。しかし素人なので他の記事よりも間違ったことを書いている可能性が多少高いです。
- また、クリエイターPCなどと銘打っていますが、RTX3060なので、クリエイターを名乗るのは烏滸がましいかもしれません。ごめんなさい。
記事の経緯
めっちゃ欲しかった10GBE搭載のRTX3000シリーズ以降のマシン
筆者はサーバーを除くと、以下の4つのPCの使用頻度が高いです。
- 動画編集やブログ執筆などに使うM4 Mac mini
- 動画編集や10GBEのテストに使うGEEKOM A7
- サブの作業に使うGEEKOM GT1 Mega
- 寝床用としてやAI用としてつかうGALLERIAのRTX2060用ノート
しかし、以下のような問題がありました。
- GEEKOM A7の内蔵グラボは780mですが、動画編集の複雑化による編集時の動作のカクカク化。もう少し強力なグラボを積んだマシンを動画編集用に使いたい
- GALLERIAのノートはRTX2060を積んでいるが10GBEを増設できないため、動画編集やメインPCとして若干厳しい
- GALLERIAのノートはRTX2060だが、AI用途ならRTX3000番台のほうが高速で省電力
- 寝床でPCそんなに使わない。iPadやギャラタブで十分。
そこで、RTX3000番台以降のグラボと10GBEを積んだマシンを用意して、以下のように構築し直すべきと考えました。
- 動画編集やブログ執筆などに使うM4 Mac mini
- 動画編集やAI処理や10GBEのテストに使うRTX3000&10GBEマシン
- サブの作業に使うGEEKOM GT1 Mega
そして、GALLERIAのノートはドナドナドーナして、GEEKOM A7は補欠用となります。メインのPCの台数は減らせますし、完璧な作戦ですね。
そのため、RTX3060か3050を積んだマシンがほしくなっていました。
自作のコスパ・タイパに対する偏見
自作についても興味はなくはないのですが、ネットには以下の情報がありました。
- コスパはBTOに比べて際立っていいわけではない
- 作るのに時間がかかる
- 起動しないであるとかトラブルが発生することも
さらに筆者の部屋はもので溢れかえっていて、自作のための道具や部品まで増やすともなると、いよいよゴミ屋敷に両足を突っ込んでしまう。
なので、個人的にはかなり敬遠していました。
「案件でもあれば話は別ですがねえ」と。
Minisforumさんからの案件の連絡
忘れもしない2024年12月30日、Minisforumさんから連絡がありました。どんな連絡かというと
「BD795Mで記事書いてみませんか」
当惑と歓喜と不安と欣喜とが綯い交ぜになって押し寄せてきました。感情がぐちゃぐちゃになるとはこういうことなんですね。
ほぼほぼ二つ返事で了承しました。
ファイルサーバーかクリエイターPCか
BD795MはPCIEスロットだけでなく2本のSATA 3.0端子も付属しています。そのため、SATA接続のHDDやSSDも増設可能です。
そのため、3.5インチHDDを搭載したファイル鯖としての道も考えられるわけですね。
そこで、BD795MをクリエイターPC、ファイル鯖、GPUありのファイル鯖の3つのパターンで構築するとこんな感じ。
クリエイターPC | ファイル鯖 | ファイル鯖(GPU有 | |
PCIE 4.0X16 | dGPU | 高速なNIC | dGPU |
SATA端子×2 | ? | HDD | HDD |
M2 NVME① | 10GBE NIC | NVME SSD | 10GBE NIC |
M2 NVME② | NVME SSD | NVME SSD | NVME SSD |
なので、やろうと思えばファイル鯖にもなります。
とはいえ、ファイル鯖としては790S7(WithHDDケース)とMS-01の2つがあるので、必ずしもやる必要がないという結論になりました。
ただ、BD795MはSATA端子が2つあるようなので、もしかしたらファイルサーバーへの適性もあるかもしれませんね。
正直790S7を大型のケースに移してRTX3060やWindowsを導入してクリエイターPCにして、BD795Mには大型のケースとSATA接続のストレージとTrueNASを突っ込んでNAS化するというのも考えました。
とはいえ、流石にMinisforumさんから提供いただいたマシンパワーが強力な製品を2連続でNASにするのはいかがなものかとおもい、思いとどまっています。
完成予想図と用意したもの
完成予想図
完成予想をしていたころの予想はこんな感じです。
- メモリは16GB×2、SSDはNVME 2TBで、必要に応じてSATA SSDを増設できるようにしておく(1TBの2.5インチSSDが2つあるので、それをRAIDを組んでもいいか)
- グラボはNVIDIA RTX3060
- NICとしてM2 To 10GBEアダプタ
グラボはデスクトップ向けの3060としています。
- Steamのグラボ使用率でもデスクトップ向け3060は使用率1位です(記事投稿時点の2025年1月18日では)。そのような人気機種を使うことで、比較の際にわかりやすくなります
- AI関連はRTX3000シリーズ以降かそれ以外かで評価が変わる印象があります。
- また、RTX3060無印はVRAMも12GBと多く、AI性能の評価が高いです。
- RTX5000シリーズの発表や発売が迫っており、あまり新しいGPUは値崩れを警戒して買いにくいです。できるだけ古いGPUにすることで、損失を最小限に抑えられるはずです。
- デメリットとしてはAV1ハードウェアエンコードに対応していないことやワッパが悪いことなどが挙げられますが、AV1ハードウェアエンコードが必要ならCore Ultraや7940HSを積んだミニPCでやればいいはずです。
- ワッパの悪さは仕方ないと捉えています。
NICにM2 To 10GBE NICを使うことで唯一のPCIEスロットをグラボに回すことができます。
- これによってBD795MのM2 NVMEスロットは1つだけになってしまいますが、2TBのSSDを指して、かさばるデータはオールフラッシュNASやSATA接続のSSDに転送すればどうとでもなるはずと考えています。
- また、790S7内蔵のマザボBD790I SEに比べて、ケースのPCIEスロットの位置とマザボのM2 NVMEスロットの位置が近く、M2 To 10GBE NICのケーブルの長さでも届く予想です。
ケースはアクリルやガラスを使っていないオール金属のものにしています。
- 確かにデザインを考えればアクリルやガラスというのも悪くありません。
- ただ、反射や横倒しにして何らかの物を置いた際の耐久性などを考えれば全部金属にしたほうがいいと思います。
- 見栄えは捨てます
などと考えていたのですが、最終的にThermaltake Core V21にしました。
- 高さが33cm程度と抑えられていて、なおかつ安定性がありそう
- メッシュ構造やケースファンなど冷却が良さそう
- 上にもう一つCore V21を置けるらしく、Wifiルーターとかも置けそうで、耐荷重に余裕がありそう
- その他レビューなどでも評価が高い
用意したものは以下のとおりです。
パーツ名 | パーツ詳細 購入方法 | 支出 |
32GBメモリ | 怪レい新品メモリ | 9000 |
2TB NVME SSD | LM790 | 0 |
電源 | Smart Pro 600W | 6600 |
グラボ | RTX3060 12GB | 28000 |
CPUクーラー | DEEPCOOL | 4000 |
CPUグリス | クーラーに塗布済み | 0 |
PCケース | 調査 中古実店舗 | 8500 |
Winライセンス | Home 楽天 | 13500 |
M2 10G | アリエク | 4600 |
CPU+マザボ | BD795M 提供 | 0 |
- メモリはAliExpressで謎の安い新品メモリを採用。もしだめだった場合は別のPCから抜き取る
- SSDは余っている2TB Lexar LM790を採用、新品価格は1.5万程度ですが、支出は0です
- 電源とCPUクーラーは筆者の知人から聞いた機種を楽天で購入。しかし両方ともハードオフで安く売っていたため、もしかしたら中古で買ったほうが良かったかも。
- グラボはじゃんぱら楽天市場店で購入。メルカリのほうが数千円ほど安く買えそうでしたが、失敗できないので。
- PCケースで一番奮発した感があります。Thermaltake Core V2をAmazonで購入しましt。
- Winライセンスについては正規品一択で、さらにRustDeskがあるのでPro版にする必要はないと判断し、Homeにしました。
- M2 10Gはアリエクで購入しています。
BD795Mの着弾と外観
BD795Mが到着しました。あまり詳しくないのですが、中央の「凸」字型のものがCPUですね。
PCIEスロットとM2 SSDスロットとがかなり近い位置にあり、SSDのヒートシンクのサイズによってはカードと干渉してしまいそうです。
一方でM2 SSDスロットにライザーケーブルとかNICとかを接続する場合は、M2 SSDスロットとPCケース側の拡張スロットの位置が近いので使いやすいかもしれません。
BD790I SEとBD795Mのサイズを比較するとこんな感じ。BD790I SEはMini ITXなのですが、ちっちゃいですね。
組み立ててみた
以前提供を頂いた790S7というタワー型PCのマザボなどを組み込んでいる状態からスタートしています。
BD795M搭載マシンの組み立てで一番手こずった点は、CPUクーラーの取付でした。DEEPCOOL AK400ですが、AK400の説明書のAMD用の方式の通りに設置しようとするとネジが固定されないのです。
そこでよくよく考えると、BD795MはLGAなんたらとかいうIntel用CPUのクーラーの取り付け方法?に対応していたことを思い出しました。
AK400のIntel用のクーラーの取り付け方法を試すとうまくいきました。
Core V21には追加の背面ケースファンとしてUSBファンを取り付けています。
また、設置場所的にデフォルトの前面吸気よりも、前面排気+後面吸気のほうが都合がいいので、Core V21のデフォルトでついているファンの向きを変更しています。
完成
10G NIC以外のパーツが搭載されました。完成した画像はこちらとなっております。
余談 失敗したポイント
ケースが大きすぎた
ケースが大きすぎて、置き場所を探すのが大変でした。
最初から普通サイズのケースを選んで、それを縦置きすべきだったと大後悔。
また、ケース選びの際はメジャーを使ってどれくらいの大きさかをイメージすべきでした。
もっと積極的に中古を採用すべきだった。
グラボは当たり外れがあるので、楽天のじゃんぱらで選んで良かったのですが、ファンとケースは中古から採用すべきでした。
特にケースはフリマサイトやリサイクルショップでじっくり選ぶべきでした。
端子の引き抜きにマイナスドライバーを使うのを躊躇すべきだった
傷がつきました。
もちろん爪の部分に差し込んだりするなら問題なさそうですが、使い所を考えるべきでした。
メモリは32GB×2にすべきだったかも。
正直Passmarkが5万もあるフラッグシップ級のCPUであるため、メモリをもっと積み増しすべきだったかと思います。
筆者個人の場合、Micro ATXよりMini ITXのほうがよかったのでは?
とても個人的な感想ですが、Core V21のケースが筆者部屋にはデカすぎたので、Mini ITXにしたほうが良かったのではと考えています。
BD795MにはSATA端子があり、NASとしての運用なら3.5インチベイの必要度が高いのでありなのですが、Windowsを入れて動画編集とかをするのであれば、データはDASやNASに保管してしまえばいいので、2TBのNVME SSDさえあれば事足りてしまうのではないかと考えてしまいました。
さらに筆者の部屋の構造上、Core V21サイズのケースでも置き場所に困っていましたので、もっと抑えられるといいなと思いました。
なので、今後、以前提供をもらっていた790S7のCPUつきマザボ(Mini ITX)で組み直してもいいかなとも思うなどしました。
あるいは、提供をもらうときにBD795Mではなく、BD795I SEにしてもらうべきだったかもですね。
あとがき
組み立てはこんなところです。
ちなみに、10GBEのカードについては記事投稿時点でうまく動作していません。こちらの記事に詳細をまとめています。